風沼 LASAdemo カウントダウン

 いよいよツアーが始まった。私はとにかく全滅。先行1次2次、トレード2か所。あとは最後の東京公演のトレードが残っているが、確率は千分の幾つとかかも。Twitter はいわば阿鼻叫喚。当たった人もハズレた人もなかなか本音が言いにくい感じ。全部で6万ちょっとしか席がないのだから、スタディアム1回分にもならない。その分ステージが近いわけで、本当に当たりたかった。スタディアムがあればもちろん申し込みはする。シリアルナンバーはそこしか使えなさそうだし。

 そのハズレ組のためか、風さんがインスタで LASA demo と称し、きらりから毎日1曲の録音やメモを出してくれた。まだモチーフという段階や、へでもねーよの為の Re-harmonized など。だけでなく、一緒に画面に写る知らない(未発表?)曲も色々あり、興味津々。確かにハズレた悲しみに効いたかな。初日前日はそれでは、で、初日からは公演場所についての投稿になった。

 燃えよは前から古い曲と言っていたが、2018年の段階で伴奏までほぼ完成していた。そしてもうしっかり録音を管理し、プロに向け準備していたのだなあと、感動を覚えた。何故高校卒業後進学を考えなかったか疑問に思っていたが、その4年間がまどろっこしかったのだろうか。もう十分準備できると感じたのか。Vaundy 君のように在学中からガンガン活躍することもできた気もするが。実際デビューしたのは22歳で大学卒業のタイミングと同じだったし。やっぱりとにかく音楽に集中したかったんでしょうね。お兄さんのように家を出る選択が難しく感じたのもあるのかも。年の離れた末っ子の立場上両親を置いていけないよね。結局自分の立場で最善を模索するしかないのだ。そう考えると、Yaffle さんやダッチ監督は恵まれた環境だよね。と言っても、恵まれた環境が将来にとっても最高とは限らない。DJ 松永さんが力説した通り、風さんのプロフィールが風さんの魅力の一部でもあり、そのちょっと浮世離れしたキャラクターを形成しているともいえる。

 

 燃えよ・優しさ・青春病などが古くから存在していた曲というのは、本人の言葉からわかっていた。またデビュー前の音楽活動中に演奏された未発表の曲の何曲かは曲名も判明している。今回さらに何曲か未発表曲があり(ことは当然だが)、その仮の題名がサラッと知らされたことになる。一応あげてみよう。

 いもなみ・l'm happy to be here ・雨をなくしても・ Varelie ・Happy song ・雨上がりの空に・虹が見えたの・Misty ・Mellow・ what r u doin to me 

 LASA の収録曲でも仮の題名から変わったものもあった。

 It must be midnight →ガーデン think about it →damn   東京ラプソディー→ロンリーラプソディー

こういうもがき!の記録を見せてくれるのは本当に貴重で、興味深い。

 

 ズッズさんのダイアリーがツアーに関連して連投されている。藤井風テレビの企画は風さんの印象が優等生っぽ過ぎるのに違和感が出たこともあるような話だった。そのせいか、ツアーの話も風さんのドジ、天然話になっている。大丈夫!風族の民は風さんのそんな面も十分知ってるし、大好きですよ。

 

風沼(番外) 風さん関連のブログなど雑観

 YouTube 上には風さん関連のチャンネルが溢れて来ている。私が見始めた頃からある応援や解説、最近は情報を共有するというのも多い。問題はなりすましや違法アップのチャンネルが消されても消されてもなくならないこと。ウッカリ見ないように気をつけてはいるが、勝手におススメに上がってきてしまう。TwitterInstagram にもパロディとか称してなりすましアカウントがあるそうだが、私はフォローしてあるものしか見ないので、見つけたことはない。

 まだ Twitter とかできない時は YouTube のコメントと応援アカウントの情報が頼りだった。でもこの半年以上風さん本人のチャンネル以外ほとんど見ていない。十分情報を得られるようになったのと、違法アップに引っかかるのがいやなの、そして一番は応援アカウントが投稿主の好みに引っ張られ過ぎて共感しにくくなってしまった、のがある。もちろん文句は無い。イヤなら見ない、それだけのことだから。見ないの例外がエンタメ系とでも呼ぼうか、モノマネの投稿。と言ってもこれも雨後の筍のようにたくさんあるのだが、私はロナウドゥさんと Kay さんのだけ。採譜・演奏系というチャンネルもあり、評判のいいのもあるが、私は風さんの演奏が聴きたいので、ほぼ興味無し。

 

 この文もそうだが、風さんの活動?活躍の感想応援ブログもたくさんあるようだ。私は自分の気持の整理のために書いていて、読む人がいるという事がよくわからないままなのだが、何故か8か月でアクセス数380回という数字。多分その内20回くらいは自分で見直したせい。最初は自分で見てもカウントされるなんて考えもしなかったから。今はなるべく触らないように気をつけている。本気で見直したら全部消したくなっちゃうから。実際余りに感情的に過ぎたと消したものもある。数字を増やすのもイヤなので。

 他のを読まないのは影響されてしまいそうだし、それを書いてしまうとマズイということ。こちらも例外は Kiyohisa さんとトリコシさんの。面白いし、私のスタンスと全然違うので、影響される心配がない。一度このブログサイト内で風さん関連のを探してみたら、結構あった。ブログサイト自体色々あるので、全体でどれ程あるのか想像もつかない。100を超えているのかもしれない。Twitter で読んでねと発信している人もいる。どんな内容なんでしょうね。

 ここで明確にしなければいけないのは、kazemi さんや ikuchanさんの記録系のブログは別格だと言うこと。本当に労作で、ありがたいものです。Twitter 上でもいつも有益な情報を発信してくれている。

 

 インスタの関連投稿をほとんど見なくなったのはいつからだろう。最初は面白くて熱心に漁っていたが、段々これは違うなあ、と思い出した。もちろん面白いものもある。ただちょっとお遊びが過ぎる?というのも多くて、しんどくなってきた。私には情報が一番重要なので、もういいかな?になった。それでも、投稿している人達の動画編集技術には驚く。普通の主婦らしき人も多いのに、動画を録画し、字や記号を載せ、音楽を付け、ともう私には理解できないスキル。すごいなぁと思うけど、大丈夫かなぁと心配になるのがあるのも事実。

 

 今は風さんの YouTube を見るのは当然として、公式アプリが必須、Twitter がルーティン、インスタは風さんのストーリーズがとにかく楽しみ、という状態。(ライブが当たらないのを忘れたいので)

風沼 コントと王道と

 藤井風テレビ2回放送されて、この後はYaffle さんとの対談特番ラジオ。すごい振れ幅。

 コントはファンとしたらそりゃあ楽しかった。テレビで動いて喋る姿を見せてもらえれば十分嬉しい上に、ピアノを弾き、歌を歌い、そして本人が嬉しそうなら、もう言う事ない。しかもこのところ授章式やMUSICA とか髭姿が多かったが、テレビはツル風でキラキラ風だったので、よけい良かったかも。ただコントのできは微妙なところもあって、ファン以外にはどう映ったか不安もある。結局ファンの感想しかTwitter の TL とかには出てこないので、どうだったんでしょうね?特にDisc 2 は金髪でプロポーズというファンには大好物なシチュエーションだったので、冷静な評価は難しそう。幾つか批評も出たが、あまり的確といえるものは無かった。歌舞伎町の女王や踊るポンポコリンを弾いてるのに、珍しい曲とか言っているのでは鼻白む。とにかくTELASA が大量の登録を獲得したことは確か。この後無料お試しが終わったあとでも継続する歩留まりがどのくらいになるのかわからないが、例え1%でも成功なのかな。ちゃんと限定コンテンツを時間差で用意しているのはなかなかあこぎ。私はYouTube premium を続けるので、こちらは終了するつもり。解約が案の定というか、それ以上に面倒そうで、やはり無料お試しはよっぽどじゃなければしない方がいいとわかった。

 本人やチーム風にとってはどんな位置付けになったのだろう。オリンピック映画のテーマソングと劇伴という大きな仕事をして、しかも監督にケチがついている状態(東京オリンピック2020は本当についていない、大凶の様相。風さんが巻き込まれないのを祈ろう)。夏にはdocomoとのこれまた大掛かりなプロジェクトが始まるというのに、おふざけ感満載なテレビ番組とは。風さんはバランスをすごく意識しているようなので、お堅い仕事が続くだけは嫌うのかもしれないが。

 

 Yaffle さんとの LASA についての対談はミュージシャンとして王道の番組。お楽しみ番組ももちろん楽しみだが、曲について本人とヤフさんから直接聞けるこういう場が一番嬉しい。1st アルバムの時とは違い、信頼関係が確立されて、楽しんで作業しているのが伝わり、とてもいい環境で曲作りができているんだなあと、なんでしょう、安心した。LA で大物プロデューサーやミュージシャンと交流している模様が伝えられたが、そちらはそちら。軸はヤフさんとの関係が続くのだろうと思える。コントもとても面白かったけど、MUSICA のインタビューやリリースパーティー、解説番組など、曲に関することを伝えてくれる場が一番嬉しいし、大事にしてほしい。

 1stアルバムが思った以上にシリアスに捉えられたこともあり、2ndアルバムは素の自分に近い、明るい、軽やかなものにしたかった。陽キャで。と。そして"青春病"を本当に大事にしているのがわかった。Free Live でも'master piece' と呼んでいたくらい。どの曲も好きだし大事だと思っているけど、やっぱり特別なんだ。そしてもう一方の'master piece' の帰ろうがシリアスに捉えられる要因ということもあるのかもしれない。その名も 'damn' でキャリアを総括したのもそんなところからかな。でもシリアスにしてしまうのも本人の責任のような気がする。「この曲を出すまで死ねない」とか、「2年続けられたのが奇跡」「2枚で終わっても構わない」とか、ちょっと大袈裟? 本人の覚悟を表しているんだろうけど、若さかな。だってまだ24歳だもんね。また時代にハマり過ぎてしまったのもある。コロナ禍は3年目だし、ウクライナでは遂に戦争。風さんとは関係ないのに、なんか無理矢理結んでくる人がいるらしい。自分の中で思っている分には自由だけど、今は発信できちゃうのが問題。

 そういう自分もやっぱりこの明るい、陽キャなはずのアルバムに死の匂いを感じる。戦争とかには関係ない、"薄甘い死" 。溶けていく、大きな愛が抱きとめてくれる死という感じ。この点はどんなに風さんが楽しいアルバムと言っていても変わらない。

 この文が風民に見つかりませんように。(心配いらないけど)

風沼 LACA 待望のカバー

 私は古参ファンではないので、カバー動画からファンになったわけではないが、とにかくピアノ弾き語りのカバーがオリジナルと同じくらい好きなんだ!と叫びたい。

 実際 Spotify ではHEHC の方を多く聴いたみたい。YouTube では聴けなかったという理由もあるが、Spotify でループ再生しまくりだった。スペシャのカバー解説特番も去年のうちに録画できたので何回見たことか。そして期待通りにセカンドアルバムにも洋楽カバーアルバムがつき、スペシャの解説特番は1時間に。

 スペシャは約2年前の30分特番でも好意的扱いだったと思うが、風さんの躍進はスペシャのお陰もあるかも。去年のスペシャアワード2021 は2冠で、青春病の弾き語りライブ付き。Free Live の特番も良かった。スペシャアワード2022 は3冠。サプライズ登場という演出付き。紅白以降風さんと言えばサプライズみたいになっていて、ラジオのゲストはサプライズ続きで、ちょっとやり過ぎ感も出ている。本人もスペシャアワードのスピーチで、サプライズとか申し訳ない連発だった。そこにさらに特番2本立てだ。Twitter 上ではスペシャ加入すべきか悩む声多数。風さんサイドも十分恩返しできたかな。今回の解説特番ではキッチリ衣装とヘアメイクが付き、ピアノもいつもの可愛いピアノとズッズさんお気に入りの椅子が用意されていた。去年の青春病弾き語りでも使われていたし、紅白のHigher Love の時にも持ち込まれていた。ホールツアーでも使っていたはずなのに、ピカピカで風さんの姿がクッキリ写ったオープニングが印象的だった。話が逸れた。

 

 今回の選曲。本体のLASA と合わせたようで、前回より少し軽めの曲か?EP で既に演奏してある曲が半数を占める。私はEP は買っていないので、録音し直しているのかはわからないが、ちょっと違うようなという投稿もあった。全体に新しめの曲が多くなった。Sunny ・Hot Stuff のように懐かしの曲もあるが、あとはここ数年の曲が多い。ファンサービスは Just The Two Of Us 。ズッズさんもお気に入りみたい。特別なのは風さんが死ぬ程好きという Weak 。デビュー前のカバー動画でも人気だけど、全然納得してなかったのを今回リベンジ。でもやっぱりまだ納得していないし、これからも弾き続ける片思いの曲だそう。私は Sorry の間奏のピアノがすごく好き。あのお気楽な Hot Stuff がダークな感じになっているのに驚き。ポスト・マローンは風さんに合うな〜。と大満足なんだけど、もう少し、これでもか!な Back Stabbers のようなピアノを聴きたいな、なんて贅沢なことを思ってしまいました。でも Good as Hell や Eh, Eh みたいに風さんのお気に入りの曲がたくさん聴けて楽しい。もう一つ贅沢を。Eh, Eh の Cherry Cherry Boom Boom を風さんの声で聴きたかった。どんな可愛い声になるかすごく楽しみにしてたのに、無かった!

 収録曲が発表になってから本歌のプレイリストを聴き過ぎてしまったのがいけなかった。Spotify には同じプレイリストが溢れていたので、皆さん同じとは思いますが、やりすぎは良くないみたいですね。

 投稿にガーデンと No Tears Left To Cry のイントロがそっくりだとあった。確かに。ここまで似ているのは意図的しか有り得ないので、何かあるのだろうが本人が明かしてくれるのを待とう。まつりの調律が432Hzになっているようだという投稿で、色々話題になっていたら、デモ音源まで出して意図的にしてますとお知らせしてくれた。本当にここまでしてくれるアーティストがいる?風沼が深く深くなってしまうのは仕方ない。

 alone at home Tour のチケットエントリーが始まる。私には色々問題山積だけど、前回とにかく申し込みだけはしてみると決めたので、します。

 

風沼 LASAの1週間

 LASA 発表から1週間経ち、やっと落ち着いて聴けるようになった。まつりを2日がかりで消化して、実質的には残りの新曲5曲分を1週間で消化した感じだ。

 冒頭のきらりと最後の青春病・旅路は謂わば包装紙。藤井風ブランドの掛け紙。勿論すごく大事だけど、2枚目のアルバムの実質はその間の8曲と言えるだろう。まつりは何なんwにあたり、それでは、は帰ろうにあたる。あたり過ぎてかえって違うのかと思うくらい。本人もまつりは第二のデビュー曲と言ってもいいと。燃えよは運と縁に恵まれた幸福な曲ということなので、ちょっと別格。制作時期も一番古い曲で、若く情熱的でもう書けないかもと。

 へでもねーよ(LASA edit) はもうええわ。ガーデンは優しさ。やば。とdamn は調子のっちゃてや死ぬのがいいわにあたるだろう。ロンリーラプソディーはまさに風よの味。それでは、が実質的に最後の曲。「お元気で〜♪」と歌ってしまっているのだから。

 青春病は大好きな曲で、どこに置くかよく考えたというが、最後に決まっている旅路があるので、ここしかありえないだろう。

 

 このようにHEHN と対というか対照をなすLASA 。モノクロで禁欲的、緊張感と高揚感が綯い混ぜになった1st アルバムから、暖色系で花に囲まれて、微笑みを湛えるジャケットそのままの曲調の2nd。硬質な声の1st から、柔らかく自在に移る声の2nd。コンサートどうするのか心配になる程ファルセットも多い。LASA (8曲) はイントロ付きも多い、というか全部?まつりの篠笛・へでもねーよの尺八の和楽器。やば。それでは、の綺麗なピアノ。どれも印象的なイントロが美しい。

 Kirari Remixes がこの為の実験だったのかと思う程、吐息・yes ・yeh・hoow とか歌声ではない合いの手?も多かった。Original Remix の吐息はホントに破壊力抜群でしたからねー。吐息だけでなく、ちょっとした装飾が Remix からの引用という感じがする。

 

 若々しい、明るい、おめでたいアルバムとのことだが、「死」のニオイがするのは何故だろう。嗅いでは強過ぎるし、匂いではそぐわない。気配では弱いし、雰囲気では甘い気がして、なんて言えばいいのか困るのだが。風さんの曲には珍しい恋とか好きになるとかの言葉があっても、結局普通の恋の歌じゃないのはもう理解している。まつりの「好きにしてください」が英訳を読んで、自分をあなたが好きにしていいという意味だったのには衝撃を受けた。風さんの歌詞は普通の文脈では理解しきれない上に、受け手次第で好きに聞いて欲しいとか言われるので、自分の感覚が合っているか自信は無い。

 インタビューで、メロディーが歌詞を教えてくれると言っていた。つまりこの美しいメロディーがこの死のニオイの纏わりついた言葉を誘い出しているのだろうか。それを風さん本人はもとより、ズッズさんや、曲の根本を左右するアレンジのYaffle さんが感じないとは思えないのだが。私の感覚が誤解であっても、そう感じさせるものがあることは確かと思える。はっきりしておきたいのだが、死のニオイが不快なわけではない。だから歌詞が暗いなんていうつもりはない。彼にとっては良い事も悪い事も、私もあなたも、生と死も、一時的な事で、溶けていくもの、なんだろう。それを野ざらしにされた場所の獣に呑まれるのが普通の二十歳そこそこの青年が歌っていることに驚嘆?驚愕してしまうのだ。

風沼(番外) 戦後75年にして生まれた音楽お化け

 先日2nd アルバムを発表した藤井風。

 この1年の快進撃は目を見張るばかりで、珠玉のものから、便乗組の有象無象の記事までいろんなレビューが出ている。私もまさに有象無象組であり、素人のただのファンである。

 その音楽性や技術は言わずもがな。人柄の無垢さや可愛さはいうも無駄。ビジュアルの良さはむしろ欠点とさえ言われている藤井風である。下は3歳児から80過ぎまで(それ以上の方すみません、ただ確認できてないだけです)、男女問わず魅了しているシンガーソングライター。彼が産まれるには戦後ここまでの時間が必要だったと思わされる。両親や兄姉によって聞かされ続けた音楽。ちょうどでき始めたネットというバリアフリーな環境。そこから産まれた音楽お化けこそ彼なのではないか。

 洋楽に変なコンプレックもなく、ただ好きな音楽を解析し、自分のものにし、一人でアウトプットしていたら、こんなんできましたけど、という感じ。バンドという長短ある形を取らなかったのも純粋な音楽性を保つのに良かったと思う。もう少し前なら一人というのは難しかっただろう。いくら弾き語りが得意でも、結局はピアノの上手い地方のお兄さんでしかなかったかもしれない。今更フォークソング時代のようにギター1本で素朴な歌では勝負できまい。でもこの時代、ピアノだけではなく、声の多重録音や望むならパソコンの打ち込みで厚みを足すのも意のまま。YouTube ならビジュアルも見せられるし、概要で文字情報も伝えられる。さらに憶測だが、高校卒業後に進学や就職をしない選択をする程の収益もあったのかもしれない。お金はともかく、ファンという手応えはきっとあっただろう。これは10年早くてはもちえなかった利点だろう。

 デビュー後もコロナ禍という特殊事情をどう考えるかにもよるが、今の時代だからこそ可能な拡散力があった。YouTube ならいつでも、いつのでも見られる。見る側もいつでもいつからでも見られる。それが10年前のでも発見できる。サザン・オールスターズや安室奈美恵宇多田ヒカルが出てきた時の衝撃を今の人が感じるのは難しいが、藤井風の場合はこれから知る人でも追体験できるだろう。この可愛い少年が色香振り撒くシンガーになる過程を見ることができるのも今この時代だからこそだろう。だからこそ彼も子供時代の動画も公開し続けているのだと思う。動画のコメント欄を読むと、それが何年前かを知るだけで感動してしまう。チーム風もこの過程を共有することの効用を知っているはずだ。そして多分、可愛い少年から大人の男性、もしかしたらオジさんになっていくのを見せるのさえ躊躇しないかもしれない。今の時代 forever young なんてありえない。年齢は克服するものではなく、享受するものだと教えてくれるかもしれない。それがこの21世紀の人間の在り方だと。まだ24歳の青年には概念でしかないようにも思えるが、半世紀前の人間にはよくわかっていなかったことを教えてくれるかな。

 

 弱冠22歳のときの1st アルバムに始まり、24歳の2nd アルバムで実力を証明した藤井風だが、いかに風ファンの私でも、素晴らしい音楽を生み出しているのは藤井風だけではないことを認めざるを得ない。敢えて名は上げないが、日本でロック・ポップ・ジャズなど今まで洋楽だった音楽を自然に自分のものにした人たちが続々現れて、当たり前になっているように思う。音楽お化けの群が湧き出ている。そしてその中で藤井風が一際大きな化け物だということだ。そしてその化け物が容姿も人柄をも持ち合わせてしまったら天使になってしまう、という現象を私(たち)は目の当たりにしている。本人には迷惑な話だが、釈迦だってキリストだって、自分でそうなりたかったわけではない。天使にされるくらいは我慢してください。何人もの監督さん達をメロメロにしてしまい、天使と言わせてるんだから。

 

 昭和の、芸能人が雲の上の憧れの存在だった時代の次は、平成は会いに行けるアイドルの時代。令和は可愛い天使の皮を被ったお化けの時代になるといいな。風さん以外にも何人かいそうだ。私は一人いれば十分だけど。

 

風沼 祭りじゃ祭りじゃ(修正)

 既に2月から追いつけないくらいだったのに、もう3月は暴風吹き荒れ続き。

芸術選奨スペシャの受賞式ハシゴでただでさえキャパオーバーなのに、2年前のHEHN リリパ公開・まつりteaser・MUSICA特集記事と怒涛のお知らせ。今日はアリーナツアーの円盤📀の告知が来た。既に「もう勘弁してください」と呟いていたのに、どうしろというの。

 冒頭から1週間。全然進められないままだった。3月20日にまつりの先行リリースがあり、衝撃を受け、21日はリリースパーティーとアフターパーティーの生配信。アフターパーティーのためにとうとうYouTube Premium に入ってしまった。初月無料だけど既に解約する気ゼロ。だってYouTube Music も付いているんだもん。YouTube 本体も音質が良くなって聞き取り難かったのが聞こえる。

 閑話休題。まつり。今までのと全く違うテイスト。ぶれない軸を詰め込んだ大切な曲自分の葬式に流して欲しいそう。風民は帰ろうと悩むことになりそう。次にやば。は口癖シリーズだって。英語ではタイトルが中々思いつかないままだったと話してた。燃えよはこの中で一番古い曲で、もうこんな若いストレートな曲は書けないと。英語ではseventeen years song と。ここでYouTube からのケーキの心配でチャットが埋まり、ケーキは回収されたww。色々考えて自分のペースで考えていく事でできたと。それはLASAの未発表曲全体に言えるらしく、ずっと寝かせてたのが急にできてきたりしたそうだ。英語の部分と合わせて全体像が見える説明が多く、そんなに難しい英語ではないが、戸惑った人もいたようだ。damn はlove song!と驚かせておいて、self love song と肩透かし。どこまでホントかな?それでは、では突然演技モードになり、かえって曲が入ってこない、と言う悲鳴が。

 Yaffle さんのアレンジも冴え渡り、ここまで1曲1曲違う肌触りにできるのかと驚く。まつりは曲よりさらに違うのがMV 。1曲ごとに(旅路は除く)スケールが大きくなり、予算も手間もかかるようになっているのは当然と言えば当然。Fan の予想とか願望とかへの裏切り具合も凄い。初期(と言っても2年前)の王子様やキラキラと可愛いワイルドの次は風族の王、今回は広大な庭付のお館に住む殿。殿だけど自分で雑巾掛け。お客様にお茶と菓子を振る舞い(風さんなのでお茶🍵で乾杯)。昼は馬で広大な庭を散策。夜は盆踊りで大盛り上がり。素敵で色香に満ちてはいるけど、綺麗で可愛いとは明らかに違うと思う。

 まつりはこの2日間リピートして聞いてやっと消化できてきたが、明日アルバムが来たらどうなるか。リリパで聞かせてくれた曲たちのインパクトたるや。漠然と不安だったけど、そんな素人の心配や不安なんて意味ないさ。まつりもだが、イントロの美しさに呆然。Yaffle さんはイントロいらない傾向(サブスク時代には)が強いが、こんなにも綺麗でロマンチックなイントロもつけちゃうんですね。どこまでが風さんでどこからYaffle さんなのかわからないが、キラキラしていた。HEHN のモノクロの禁欲的な世界から、LASA のオレンジとピンクの暖かく優しい世界へと、アートワークもぴったり。かえって大人になってきた印象なのは、禁欲的にしなくても自分の求める自分でいられる自信ができてきたからかな。全体を聴けるのが怖いくらい。聴いたらしばらく立ち上がれないと思うので、とにかくこの投稿を終えておきたい。カバーCD もあるんだ‼︎ いくつ!をつけても足りない。

  

 今までグッズも買わず、GQ は立ち読み、プレミアムなど課金はせずにきた。HEHN アルバムさえ買ってない。なのに、LASA を予約してからもういいやになってきた。CD レコを買い、MUSICA の藤井風特集号を予約。YouTube Premium を解約する気ゼロ。……ちょっと気をつけよう。