風沼 コントと王道と

 藤井風テレビ2回放送されて、この後はYaffle さんとの対談特番ラジオ。すごい振れ幅。

 コントはファンとしたらそりゃあ楽しかった。テレビで動いて喋る姿を見せてもらえれば十分嬉しい上に、ピアノを弾き、歌を歌い、そして本人が嬉しそうなら、もう言う事ない。しかもこのところ授章式やMUSICA とか髭姿が多かったが、テレビはツル風でキラキラ風だったので、よけい良かったかも。ただコントのできは微妙なところもあって、ファン以外にはどう映ったか不安もある。結局ファンの感想しかTwitter の TL とかには出てこないので、どうだったんでしょうね?特にDisc 2 は金髪でプロポーズというファンには大好物なシチュエーションだったので、冷静な評価は難しそう。幾つか批評も出たが、あまり的確といえるものは無かった。歌舞伎町の女王や踊るポンポコリンを弾いてるのに、珍しい曲とか言っているのでは鼻白む。とにかくTELASA が大量の登録を獲得したことは確か。この後無料お試しが終わったあとでも継続する歩留まりがどのくらいになるのかわからないが、例え1%でも成功なのかな。ちゃんと限定コンテンツを時間差で用意しているのはなかなかあこぎ。私はYouTube premium を続けるので、こちらは終了するつもり。解約が案の定というか、それ以上に面倒そうで、やはり無料お試しはよっぽどじゃなければしない方がいいとわかった。

 本人やチーム風にとってはどんな位置付けになったのだろう。オリンピック映画のテーマソングと劇伴という大きな仕事をして、しかも監督にケチがついている状態(東京オリンピック2020は本当についていない、大凶の様相。風さんが巻き込まれないのを祈ろう)。夏にはdocomoとのこれまた大掛かりなプロジェクトが始まるというのに、おふざけ感満載なテレビ番組とは。風さんはバランスをすごく意識しているようなので、お堅い仕事が続くだけは嫌うのかもしれないが。

 

 Yaffle さんとの LASA についての対談はミュージシャンとして王道の番組。お楽しみ番組ももちろん楽しみだが、曲について本人とヤフさんから直接聞けるこういう場が一番嬉しい。1st アルバムの時とは違い、信頼関係が確立されて、楽しんで作業しているのが伝わり、とてもいい環境で曲作りができているんだなあと、なんでしょう、安心した。LA で大物プロデューサーやミュージシャンと交流している模様が伝えられたが、そちらはそちら。軸はヤフさんとの関係が続くのだろうと思える。コントもとても面白かったけど、MUSICA のインタビューやリリースパーティー、解説番組など、曲に関することを伝えてくれる場が一番嬉しいし、大事にしてほしい。

 1stアルバムが思った以上にシリアスに捉えられたこともあり、2ndアルバムは素の自分に近い、明るい、軽やかなものにしたかった。陽キャで。と。そして"青春病"を本当に大事にしているのがわかった。Free Live でも'master piece' と呼んでいたくらい。どの曲も好きだし大事だと思っているけど、やっぱり特別なんだ。そしてもう一方の'master piece' の帰ろうがシリアスに捉えられる要因ということもあるのかもしれない。その名も 'damn' でキャリアを総括したのもそんなところからかな。でもシリアスにしてしまうのも本人の責任のような気がする。「この曲を出すまで死ねない」とか、「2年続けられたのが奇跡」「2枚で終わっても構わない」とか、ちょっと大袈裟? 本人の覚悟を表しているんだろうけど、若さかな。だってまだ24歳だもんね。また時代にハマり過ぎてしまったのもある。コロナ禍は3年目だし、ウクライナでは遂に戦争。風さんとは関係ないのに、なんか無理矢理結んでくる人がいるらしい。自分の中で思っている分には自由だけど、今は発信できちゃうのが問題。

 そういう自分もやっぱりこの明るい、陽キャなはずのアルバムに死の匂いを感じる。戦争とかには関係ない、"薄甘い死" 。溶けていく、大きな愛が抱きとめてくれる死という感じ。この点はどんなに風さんが楽しいアルバムと言っていても変わらない。

 この文が風民に見つかりませんように。(心配いらないけど)